由布院美術館 yufuin art museum 1992 - 2012

2012年春に惜しまれながら由布院美術館は閉館いたしました。
その既存の美術館の枠におさまらないユニークな建物と空間は、佐藤溪の作品と生き方に感銘を受けた館長・高橋鴿子
の想いが、象設計集団と出会うことで生まれました。本サイトでは、その思想と姿を残していきます。

ありし日の由布院美術館

2012年春に閉館間近の由布院美術館に一人の男性が訪ねてこられました。
男性の名は、佐藤八郎。佐藤渓の実の弟さんです。歳ははなれて溪とはふた回り下でおられますが、兄の面影を残していると言われ、確かに古い写真に写っている溪さんに雰囲気がそっくりでした。そんな八郎さんをモデルに、写真家・瀬尾泰章が、フィクションとして「佐藤渓が由布院美術館を訪れたなら」というテーマで撮影しました。撮影時には、一頭の蝶がどこからともなく八郎さんの肩に30分ばかり羽をやすめるという一幕も。「溪兄が来た…」八郎さんのつぶやきに誘われ、時空を超えた不思議な体験をともなうひと時でした。

(写真 / 瀬尾泰章)