昭和の時代に、全国を放浪しながら絵を描き詩を詠んだ、詩人画家・佐藤溪。
ここでは、溪が画業にすすむ前に志した詩作についてご紹介します。
小伝
ひところ別のペンネームでいろいろの芸術団体に属し
活躍ともいふべき一時期もありたれど
先輩とケンカなんていふつまんないことをしたりして
社会的な配流となる
天守閣
御覧なさい、かんじんのものごとは
きょうぐうのいいわるいにかかわりません
かねのあるなしにもかかわりません
わたくしの起居してゐるところは
どこでも天守閣と思ふ。
津軽海峡にて
ルンペンしながら北海道を廻ってきたのだ
絵を描きながら詩をおもひながら
だがそんなことはどうでもよさそうだ
重要なことは
どこでもニコニコしながら
手を振ってさようならをしたことなのだ
どうして

